日本では死者をそのまま埋葬する土葬が禁止されているわけではありませんが、霊園やお寺などにお墓を建てようとすれば必ず火葬しなければ受け入れてもらえません。
それ故、日本の火葬率は100%に近いと言われています。
対して海外、欧米諸国ではまだまだ土葬が多く残っています。
イギリスでは、1970年代の火葬率は僅か12%でしたが、2000年代に入ると火葬率は約70%にまで増えています。
また、アメリカでの火葬率はイギリスよりもっと低く2000年代初めは20%代、2015年になって初めて火葬の割合が土葬と同じ50%台になりました。
世界で散骨が増えているのは、火葬が増えているからと思われます。
なぜなら、日本の火葬ではお骨拾いのために敢えて燃焼温度を低く設定し、ご遺骨の形が残るようにしていますが、これに対して欧米ではその様な風習がありませんので超高温で火葬を行い灰状にして、散骨が容易にできるようにしています。
火葬が増えてきた欧米諸国において、当然のように増えてきた散骨ですが日本と同様に国としての法律が付いて行かず、州や自治体でのルールやマナーに散骨を任せているのが現状です。
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スウェーデンの匿名性の共同墓地はミンネスルンド(翻訳すると追憶の森)と呼ばれています。
1980年頃から急速に普及し始めたミンネスルンドは現在全国で500カ所程あり、今も増え続けています。
追憶の森の構成要素としてはモニュメントになる芸術作品、流れている小川、共同の花を置く場所、芝生などがあります。
遺灰をどこに散骨したのか、どこに埋葬したのかは管理職員以外は誰もわからない様になっております。
また、儀式も追憶の森の決められた場所で行われる様になっており、葬送(儀式やお墓)に於ける費用はほとんどかかりません。
国民の95%がこの葬送を支持している、と言うのも頷けますね。
アメリカでは、合衆国としての法律や連邦法で散骨を規制するものはありませんが、州が定める法令、州法などで散骨についての指針を示しています。
ただ、多くの州は他人に迷惑をかけてはならない程度のもので、常識の範囲内で、かってに散骨してOKと言うのが現状のようです。
ハワイでの海洋散骨の場合、特別な許可証などの申請は必要ありませんが、散骨は海岸線より3マイル(4.82km)以上沖合に出る必要があります。
その為ハワイでの散骨は、業者に依頼される方がほとんどの様です。
イギリスでは公有地や公園での散骨はできません。
散骨は民間や公営の墓地それに教会、散骨場を併設した火葬場に散骨することになります。
火葬場といっても日本の様にただ火葬するだけの殺風景な所ではありません。
ほんとに散骨したくなる様なうらやましい環境、設備が整っています。
ただ、イギリスでは遺族などが遺骨、遺灰の引き取り義務がないので遺族が遺灰をもちかえることは少数のようです。
また、散骨場所は例えば川の場合、流れがあればどこでもよくテムズ川でも散骨できると言うから驚きです。
日本のように散骨のクレームや風評被害などはあまり聞いたことがないと言うから、うらやましい限りですね。
フランスでは都市部の有名河川や、セーヌ川での散骨は禁止されています。
イギリスと同じように、火葬場に散骨したくなる様な環境が整っており、無料で儀式を執りおこなう施設を利用したり、敷地内で散骨することができます。
海での散骨で遺灰を撒く場合、海岸から300メートル以上離れて散骨をすること、また水溶性の容器などに入れて散骨する場合は、海岸から3海里(6キロ)以上離れて散骨することが求められています。
もともと火葬を禁止していたカトリック信者の多いカナダで、2016年ケベック州に於いて、散骨に関する法律が作られました。
散骨場所の報告義務と、人の尊厳を傷つける場所以外での散骨の自由というものです。
この法律はカトリック教徒の多いカナダにおいて、非常にインパクトの大きいものでした。
また、首都のあるオンタリオ州では、公有地や州立公園であれば、許可や申請を必要とせずに散骨ができるとされていています。
スイスは樹木葬と散骨の先進国です。
スイスの樹木葬は墓地に樹木を植えるのではなく、自然の木の根元へ散骨するという方法が圧倒的です。
日本で言うところの墓地ではなく、ハイキングコースの様なもので、お墓や墓標などの人工物は一切禁止されています。
これは、国民の環境に対する意識が非常に高く、国の環境保護や森林保全の政策と合致しています。
なお、散骨は 個人の私有地に勝手に散骨しない限りこれと言った散骨の規制はありません。
台湾の地下鉄の駅には「波とともに起き、林とともに憩う、生命の愛を大地に還そう---環境保護の自然葬、海葬、樹葬、骨灰植存」と大書された、まるで散骨推進のような大きな看板が掲げられています。
土地が狭く人口密度が高い台湾では、伝統的な葬送である土葬は土地不足を招き、街の景観を破壊し、環境問題を引き起こすとして散骨を行政が後押ししているのはあきらかです。
中国都市部は従来から慢性的な墓不足で、お墓の値段も日本以上に高騰しています。
それ故、散骨は政府も奨励しているようです。
過去、周恩来や鄧小平も散骨していますので、散骨を規制するのは無理があり、道理にかなわないのかもしれません。
かつて魂の帰る場所とされてきた神聖なお墓も、今では中国人のしきたりや伝統までも大きく変えようとしています。
近年、お墓の価格があまりにも高騰してしまい無い袖は振れないと言うことでしょうか。
韓国は仏教徒よりもキリスト教徒が若干多い国ですが、冠婚葬祭に関しては伝統的文化を今でも大切にしています。
葬送の儀礼も日本の2日間(通夜と葬儀)に対して3日間程あり、時間をかけて手厚く執り行われます。
火葬はまだ葬送全体の3割程度ですが、何故か進歩的なイメージがあって、ドラマでは散骨シーンがよく出てきますね。
ソウルや釜山などの都市部では散骨が年々増えているようですが、行政として散骨の法律や条例がまだまだ追いついていないのが現状です。
インドは民族、言語、文化、宗教、生活方式など多様で併存していますが、死後の散骨の件では奇妙なことにほとんど一致しています。
葬送の自由と言うのは、インドでは散骨の自由を意味します。
ヒンドゥー教徒の中には死がせまってくると、ガンジス川をはじめ聖河の河畔に瀕死の状態で辿り着き「そこで死を迎え、大河に流してもらう」と言うのが理想であると信じられています。
この事は、多くのインド人の習わしであり、自らの死の尊厳を守ろうとする、その死生観にあるのではないでしょうか。
オーストラリアやその隣のニュージーランドでは、やはり国としての散骨を規制する法律は存在しませんが、一部の自治体において最近、散骨の条例や散骨をするにあたっての規制が作られてきました。
東海岸のゴールドコーストでは、かって海の仕事に従事した人や、先住民の人々は火葬しなくても海に散骨することができます。
一方メルボルンでは散骨自体を全面的に禁止しています。
北欧のノルウェーでは、個人の所有でない陸地や海での散骨を認めていて、散骨の手続きや散骨の方法、許可、申請もだいたい決まっています。
散骨を希望する場合には、故人が生前に散骨を希望したことを証明する文書を行政に提出して、散骨希望場所を指定することで、個人の散骨が認められてます。
ロシアのモスクワにある公立墓地はどこも満杯状態で、なかなか空きが見つかりません。
ロシアの墓地が日本と違うのは、お墓の生前予約はできず、墓地の場所も勝手に選べず、機械的にお墓が割り振られることにあります。
ただ、埋葬費用は安く教会での葬儀もだいたい1万円程度で出来るみたいです。
ロシアでは散骨や樹木葬といったものは国土が広い為あまり普及しておらず、土葬のお墓がいまだに主流で、日本とはだいぶ違うようです。
ドイツの葬送はいままで法律や戒律による厳しい規制があり、ほかの欧州諸国に比べて「葬送の自由」はかなり制限されてきました。
しかし近年、遺灰を散骨することや自宅に於いての供養、国民の教会離れ現象など、個人の考え方を認めた葬送の自由を求める声が国民のあいだで高まり、ドイツの葬送もほかの欧州諸国と同様に、大きな転換期を迎えています。
タイの葬送は、死者を極楽へ送るための儀式であり、儀式の根底にあるのは「できる限りの葬儀をして死者を極楽の一番いいところへ送りたい」と言う思想があります。
それ故、葬送はその儀式がメインとなり、その抜け殻である遺骨やお墓については、ほとんど執着がありませんから我々日本人にはちょっと不思議です。
遺灰を畑に散骨する人もいれば、川や海、田んぼに散骨する人もいます。
それ故、いわゆるお墓の様なものも、墓標や目印も記録して残すこともありません。
ネパールの葬送はカーストの身分にもよりますが、火葬した後、遺灰を川に散骨する方法が多い様です。
遺灰を川に散骨している直ぐそばで、人々が洗濯をしたり、魚を捕まえたり、泳いだりしている光景をたびたび目にします。
生と死は分断されているものでは無く、連続したものであり隣り合わせなのだ、と言うことを改めて考えさせられる光景ですね.
イスラエルの葬送は原則として土葬である為に、毎年東京ドーム二個分の土地がお墓になっています。
特に人口の多いテルアビブでは、4つの墓地のうち3つが満杯になって、新しい死者を受け入れなくなっています。
現在の方法を続けていたのでは近い将来、死者の行き場が無くなるのは目に見えています。
そこで、絶対タブーとされてきた火葬→散骨と言う葬送をする民間会社が現れましたが、ホロコースト→ 焼却→ 散骨という負の歴史があり、散骨が究極の解決法とはイスラエルではならないのです。
現在、シンガポールでの散骨場所はセマカウ島の南方2.8キロの海上に限定されており、船をチャーターする必要がある為、誰でも自由に散骨はできません。
その為、シンガポール環境庁は陸続きのタナメラ海岸沿いに、散骨専用施設を建設する計画を発表しましたが、計画地の西側には海水浴場やレクリエーション施設が複数あり、子供達が遊んでいる側で、心穏やかに死者を弔うことはできないと猛反対が起こっています。
ベトナムの葬儀は、近隣住民の葬儀出席率が90%程度と非常に高いのが特徴です。
これに対して台湾、韓国、日本の近隣住民出席率は約40%程度まで低下しており、国家の経済指数GDPと逆相関関係を示していることが充分理解できます。
これは何を意味しているのか、つまり経済が十分に発展してない社会では、葬儀は共同体の相互扶助によって成立していますが、逆に経済的に豊かな国になるほど、家族や個人の儀式へと向かっていることが如実に見て取れます。
近年、ベトナム都市部で家族葬や散骨が出現した、と言うのはGDPが上向いている査証なのかも知れませんね。
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